UVインデックスって誰がどこで作ったの?
UVインデックス(UV指数)は世界共通の紫外線指標です。
気象庁でも予報が発信されていますが、では、どこの国で誰がいつつくったものだろう?
と思い、まとめてみました!

UVインデックス 気象庁
誰が・どこで・いつ作ったの?
- いつ・どこで:1992年にカナダで開発されました。
当時、オゾン層の破壊によって地上に降り注ぐ紫外線が増え、健康被害への懸念が高まったためです。住民に分かりやすく紫外線のリスクを伝えるために、カナダの科学者たちが考案しました。 - 誰が(世界標準にした組織):1994年に世界保健機関(WHO)や世界気象機関(WMO)、国連環境計画(UNEP)などの国際機関が共同で採用し、世界共通の標準指標として制定しました。

UVインデックスって誰が作ったの?エポカル
- 日本:気象庁の「紫外線情報」や環境省の「紫外線環境保健マニュアル」などで全面的に採用されています。
- オーストラリア・ニュージーランド:特に紫外線が強く皮膚がんのリスクが高い南半球の国々では、早くから非常に厳格に導入・活用されています。
- アメリカ・ヨーロッパ・アジア各国:毎日の天気予報やスマートフォンの天気アプリ(iPhoneの「天気」など)の標準機能として、世界中で日常的に表示されています。
UVインデックスを発明したのは、カナダ人科学者3人
UVインデックスは、カナダ人科学者3名がトロント(オンタリオ州)で開発し、1992年5月27日に世界で初めて公式の天気予報として発表した指標です。
発明者は次の3人です。
カナダ環境省
カナダ環境省
カナダ環境省
3人はトロントで数年にわたって紫外線の測定記録を積み重ね、真夏の晴天日の最大UV強度を「10」として指標化しました。そして1992年5月27日、カナダ環境省(Environment Canada)が天気予報の一部としてUVインデックスの公式予測を開始。カナダは世界で初めてUVレベルの翌日予測を国民に提供した国となりました。
当初の最大値は「10」でしたが、その後オゾン層のさらなる破壊や高山での観測が進むにつれて上限が撤廃されました。2003年にはボリビアのリカンカブル火山近くで、地上での世界最高記録となるUVインデックス43.3が観測されています。

UVインデックスって誰が作ったの?エポカル
1994年:WHOとWMOが世界標準に採用
カナダで生まれたUVインデックスは、その有用性がすぐに世界に認められました。
1994年、WHO(世界保健機関)とWMO(世界気象機関)、そしてアメリカの国立気象局(NWS)・環境保護庁(EPA)が共同でこの指標を採用し、世界共通の標準として制定しました。このとき、計算方法をカナダ方式に統一しただけでなく、天気予報やメディアで使うカラー表示・グラフィックも統一されました。
さらに2002年には、WHO・WMO・UNEP(国連環境計画)などが共同で「UVインデックスの運用ガイド(Global Solar UV Index: A Practical Guide)」を刊行し、世界中での普及をさらに後押ししました。
① 1992年5月27日 カナダ人科学者3名がトロントで開発・カナダで世界初の公式天気予報に採用
② 1994年 WHO・WMO・米国が採用し、計算方法・カラー表示を世界統一
③ 2002年 WHO等が「運用ガイド」を刊行し、世界規模での活用が本格化
なぜ作られたのか――背景にあった「2つの世界的危機」
① 皮膚がん・白内障患者の急増
20世紀後半、イギリスをはじめとするヨーロッパ諸国で皮膚がんの患者数が急激に増加しました。背景にあったのは「日焼けブーム」です。健康的に焼けた肌が好まれる文化が広まり、強い紫外線を長時間浴びる習慣が定着していたのです。紫外線が皮膚がんや白内障のリスクを高めることが科学的に明らかになるにつれ、「紫外線の強さを誰にでもわかりやすく伝える共通言語が必要だ」という機運が国際的に高まっていきました。
② オゾン層の破壊による紫外線の増加
1980年代には南極上空のオゾン層に「オゾンホール」が発見されます。フロンやハロンなどのオゾン層破壊物質が成層圏で紫外線によって分解され、塩素ラジカルがオゾンを破壊することで、地上に届く紫外線量が増加していることがわかってきました。地球全体の問題として、各国政府・国際機関が対策を急ぐきっかけとなりました。カナダのKerr・McElroy・Wardle3名も、こうした危機感を背景に観測研究を開始しています。
数値はどうやって計算されているのか
ステップ①「紅斑紫外線量」を求める
まず、紫外線の強さをそのまま足し合わせるのではなく、波長ごとの人体への影響度を考慮します。国際照明委員会(CIE)が定めた「CIE作用スペクトル」という相対影響度を、地上で観測される紫外線の強さに波長ごとにかけ合わせます。これを290〜400nmの全波長にわたって積算した値を「紅斑紫外線量(CIE紫外線量)」と呼びます。「紅斑」とは、皮膚に赤い日焼けを生じさせる作用のことです。
ステップ②「25mW/㎡」で割って指標化する
紅斑紫外線量をそのままの数値で表してもピンときません。そこで25mW/㎡を「1」として割り算することで、日常生活で直感的に使いやすい数字に変換したものがUVインデックスです(単位がW/㎡の場合は40倍して換算)。
この計算式のおかげで、世界中どこにいても同じ尺度で紫外線の強さを比べることができます。カナダ式の計算方法が1994年に世界標準として採用されたのも、この明快さが理由のひとつです。
5段階の「カテゴリー」と目安となる行動指針
UVインデックスは1〜11+の値で表され、以下の5つのカテゴリーに分類されます。WHOと環境省「紫外線環境保健マニュアル」が示す行動指針と合わせて確認してください。
| カテゴリー | UVインデックス | 紫外線の強さ | 行動の目安 |
|---|---|---|---|
| 低い | 1〜2 | 弱い | 特別な対策は不要 |
| 中程度 | 3〜5 | やや強い | 帽子・日陰の活用を推奨 |
| 強い | 6〜7 | 強い | 衣類・帽子・日焼け止めを使用 |
| 非常に強い | 8〜10 | 非常に強い | 正午前後の外出をできる限り避ける |
| 極端に強い | 11+ | 極端に強い | できる限り屋内で過ごす |
なお日本では、晴れた夏の正午に8〜12程度の値が観測されることも珍しくありません。気象庁はWHO基準の11+に加えて12・13+まで表示を拡張しており、日本の実情に合わせた情報提供が行われています。
日本での歩み――気象庁・環境省の取り組み
UVインデックスを知ることで変わる紫外線対策
「今日は晴れているから紫外線が強い」という感覚的な判断と、「今日の正午のUVインデックスは9だから非常に強い。外出には帽子と長袖が必須だ」という数値に基づく判断とでは、対策の精度がまったく異なります。
UVインデックスは世界共通の指標です。海外旅行中でも現地の数値を確認することで、その土地の紫外線の強さに合わせた対策が取れます。オーストラリアやハワイでは日本の夏の晴天日をはるかに上回る値が日常的に観測されており、現地のUVインデックスを確認する習慣は命を守る知識とも言えます。
大切なのは「晴れているかどうか」だけではなく、「今日のUVインデックスが何かを確認すること」。3人のカナダ人科学者が1992年に込めた思い——「市民が数字一つで自分を守れるように」——は、今も世界中の天気予報の中に生きています。
まとめ
- UVインデックスはカナダ人科学者Kerr・McElroy・Wardleの3名がトロントで開発し、1992年5月27日に世界初公開
- 1994年にWHO・WMO・米国が採用し、カナダ方式の計算法が世界標準になった
- 2002年にWHO等が「運用ガイド」を刊行し、さらに世界へ普及
- 「紅斑紫外線量 ÷ 25mW/㎡」という計算で人体への影響度を数値化している
- 1〜11+の5段階カテゴリーで、行動指針とセットになっている
- 日本では気象庁が毎日の紫外線情報として公開。世界共通の指標なので海外でも同じ数値で判断できる
紫外線対策の出発点は「今日のUVインデックスを見る」こと。天気予報と同じように、毎朝確認する習慣をつけることをおすすめします。




